Strategic ManagementのDHLのケースも終盤で、実際にDHLの戦略担当を招いてのプレゼンが行われました。といっても、実際には、あらかじめ提出しておいたPowerPointのスライドをDHLがチェックし、各授業あたり4グループのプレゼンがピックアップされて、それをたたき台に議論が行われます。
ここでこの4グループに選ばれてしまうと、かなり大変で、自分達の考えていることを簡単に説明しつつ、厳しい突っ込み(DHL、教授、そして60人の生徒からの)に答えなければいけません。
ちなみに私達のチームのグループワークは最後のほうはかなり迷走状態。
メリルから就職の内定をもらってやっと時間的に余裕が出てきたSが俄然やる気になってしまって、ほぼ二日に一度ミーティングをしていたのですが、その割りになかなか全員の意思統一が出来ずに、困っていました。前にも少し書いたのですが、アメリカ人はあまり幅広い業務経験というものがないままビジネススクールに来ている場合が多いんですよね。「実際こんなことできるわけねーよ!!」ということを感覚的に言うもんだから(さらに口は達者だし)、丁度今回同じグループになったYさんと私もほとほと困っていました。
今回のDHLに対する提案に関しても、結局実務をやっていた人にとっては「?」という回答になってしまいました。とはいうものの、もう時間もないし、不本意ではあるけど、がんばって数値的な裏づけだけをして、あとは、ビジュアル勝負をすることに。がんばってこの稚拙な提案をとりあえずグラフィカルにPowerpointを装飾しまくってすごそうに見せることに注力することにしました。
ちなみにアメリカ人(少なくともOwenでは)は元マーケティング職といった仕事をしていた人を除いて、基本的にPowerpointの知識はあまりありません。理由は上記で書いたとおりです。あまりこういうものを仕事で使っていなかった人が多いんですよね。
Owenではオリエンテーションが終わったあとに一応、補習として、Microsoft Office講座を設けているのですが、それでもみんな初心者です。
逆にいつも議論でいまいち戦えない日本人にとっては、ここが最大のアピールできるところになりますので、絶対に押さえておくべきですね。
というわけで、なんとかプレゼンを作って提出しておきました。ま、多分当日選ばれることはないだろうな、と思っていたので、気軽に授業に参加。
案の定、最初に選ばれたグループは、がんがん教授やDHLに攻められます。この数字はどういう意味?これは実現可能?将来的なビジョンはどうなってるの?ここをターゲットに選んだのは数値的な裏づけはあるのか?このグラフは感覚的だなぁ。わかりにくいよ。etc。予想はしていたけど、クラス中が凍りまくってます。
で、やっと30分ほどしてそのグループが開放された後、教授が口にしたのは、「Team20!」
「げーーーーーっ!!」
食らっちまいました、とうとう。前の授業で一度プレゼンしといたから今回は当たらないと思ってたのに、、、。それも自分自身、穴だらけって分かっているスライドで。
同じグループの口達者のアメリカ人が最初のExecutive Summaryを説明し始めたとたん、案の定、さえぎるように質問が飛んできます。
一応、スライドの分析を見せながら、順番に質問をかわしていきます。
もともとYさんと私は、国際ロジスティクスのソルーションビジネスを提案しようと思っていたので、その時に調べておいた知識をフル活用して答えます。Yさんもさすが、スライドの稚拙な論理を、ご自身の論理にすり替えながら肉を加えていきます。
そんな中、DHLの戦略担当が
「Taku,このスライドをつくったのは君?君達が提案するアイデアでDHLがFedexとUPSと差別化できるのは何?彼らだって真似ることが出来るんじゃないか?」
「うおーーーーっ!!」
怖ええよ怖ええっ!! 名指しだよ、名指し。Takuとか言ってるし。
今までのプレゼン経験上、質問者というのは、数字を使った説得、実際の経験に基づく説得、というのに弱いものです。とりあえずDHLと他会社のこのエリアに関する経験年数の違いや、実際に私がDHLを使った時のサービスの違い、税関処理の違いなどを適当に述べながら、答えていきました。
「Ok, great. I like your group's idea. it is close to ours」
という言葉を最後にもらった時には力が抜けました。
最後の最後まで、気の抜けない科目でした。。。。